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2014年9月13日 (土)

物作りの心。物作りの魂。世界でたった一つの物作り。

妹分たちが「おいらの所の姉さん」と呼んだことから来ているなどの諸説がある花魁。花魁候補の女性は幼少の頃から禿として徹底的に古典や書道、茶道、和歌、箏、三味線、囲碁などの教養、芸事を仕込まれていたといいます。
浮世絵の中の花魁はこれでもかという多くの簪や髪飾り細工物を着けています。
遊女の中でも選ばれた位の高い花魁には、これ以上ないという最高の腕を持った職人が、魂を込めて細工物を作ります。
多くの人に認められる技と魂を競う。細工職人。
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私がTradition JAPANを立ち上げて「一本の桑の木プロジェクト」をスタートさせた時に、どうしても欲しかった物が、桑と蚕の『帯留め』とウェスタンベルトのバックルでした。
そんな時、来店した男性のお客様(宇野さん)が身に付けていたバックルに喰いつきました。
獅子頭でした。
早速、こちらの商売よりも、彼に帯留めを作ってくれないかとお願いし、快く承諾。まずは、帯留めに取りかかってくれました。
私は絵を描いて見せて、二人で細かなディティールの打ち合わせ進めました。
その何回目かに彼の言った言葉に驚きました。
「今、蚕を育てています。」
こんなに小さい世界の細工に、ここまでして取り組む姿勢…..
三年前の10月。
納品されたその出来映えに、我々日本人なら知っている「物作りの魂」をそれに見ました。
表だけではなく、裏面迄手抜きの無い出来映えは…..支払った金額を遥かに超える感動物でした。
細かい鎖の先に着いた繭。
一年前に何かの拍子に取れてしまった繭。
意を決して自分で修理。
修理しながら、その細かさに作者の「魂」を改めて感じるのでした。913

今日の着物は地紋様が桑の葉の白生地を辰田屋さんに染めて頂いた色無地。
半襟を羊羹色にして「四十八茶百鼠」の風情にしました。
どんな逆境でも「色」を楽しんだ江戸の民の「意志」ですね。
帯はまだ九月なので少し荒い織りの蹌踉と縦縞。
下部に織り込まれた不規則な市松。
青黛に赤い蹌踉けが入る事で、少しだけ華やかに。
それを引っ張る帯締めは柴染色と茜色の市松。
帯揚げに照りのある群青色。
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なんと言っても、帯留め。
世界中にたった一個。
私だけに作られた桑と蚕の一点物。
古き良き時代をNever forget
浮世絵も江戸時代の養蚕です。

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